■■■■■ 2013.4.22 ■■■■■

  テロなのだろうか?

突如、米国発のテロのニュースが流れてきた。実に、嫌な気分だ。憤慨するのはもっともなれど、今ひとつピンとこないところがある。そこいら辺りをまとめておこう。

アピールのためのテロであれば、直接関与していようがいまいが、どこかの組織が必ずリリースを出す筈。今のところ、そういった報道は一切ないようだ。既存のテロ組織は、シンパの立場では無いか、そんな発言をする力もついに失ったかのどちらかということになる。オバマ政権としては後者であって欲しいところだろうが、実態はよくわからない。対テロ戦争も、表に出ないから成功しているのかもさっぱりわからないが、撲滅作戦に多大な力が注がれてきたのは間違いない。

まず、末梢的な方から。・・・
リシン入り封筒が送りつけられたとのニュース。リシンは微量でも猛毒であるから、おどろおどろしい話だ。しかし、Natureを読むような人種だと、多分、かなりの違和感を覚えたに違いない。
と言うのは、リシンをテロに使おうとする輩はどう見ても大馬鹿者だからだ。まあ、米国は多様な社会だからそれもアリという気もするが、一寸ひっかかる。なんとなれば、リシンはばら撒く手法が確立されておらず、大量殺傷兵器化は今のところ無理なことがよく知られているようだから。それを知らないのは一般大衆だけ。
従って、本気で体制破壊を狙う組織なら、わざわざ手間をかけてリシン入り封筒を送りつけるような真似をすることなど考えにくいのだ。

それを踏まえてと言う訳でもないが、ボストンマラソンのテロを眺めると、これまたよくわからぬ動き。
あっという間に容疑者逮捕。ニュースを読む限りは、犯人と認定た根拠は全くわからない。まだ全貌を開示していないだけと言うには、容疑者をめぐる細かな情報がわかりすぎる位開示されている。
小生はそんなものを読む気がしない。
と言うのは、手口自体が、それこそ、なんだかねの類だからだ。

自然に考えれば、これはテロというより、誰でも作れる爆弾の威力を試してみたことになる。しかし、なんらかのデモンストレーションの意図でもなければ、それをボストンマラソンにぶつけることは考えにくかろうう。
ともかく、この先、何時、何処でも、これ位のことは誰でも簡単にできることを見せ付けたのは確か。
そんな訳のわからぬテロに対して、既存の反米組織がそろって知らん顔なのは当たり前。

常識的には、ただただ社会を混乱させることを自己目的化するような輩の犯罪と見なすしかなかろう。今時、超過激なアナーキストが存在するとも思えないし、いったい何を考えてこんなことをするのか、はなはだ理解し難し。
と言っても、なんなのか想像するだけならいたって簡単ではあるが、・・・。

(Natureの記事: 邦訳の有無は未確認)
US ricin attacks are more scary than harmful But researchers hope that the incidents will renew development of stalled vaccines. by Erika Check Hayden& Meredith Wadman 18 April 2013
The quick facts about ricin The deadly toxin has been found in a letter addressed to a US senator. by Erika Check Hayden 17 April 2013
(ロイターの記事)
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