■■■■■ 2013.5.16 ■■■■■

  プロフェッショナルの飲酒姿勢について

ミドルクラスのプロフェッショナルを対象としたフォーカスグループインタビュー結果がマスコミに取りあげられたようだ。その内容が、健康の専門家に懸念を与えた模様。英国の話だが。
日本流に直せば、中堅ホワイトカラー族の飲酒に対する姿勢を調査してみたということ。日本で行っても、多分、同じような結果が出るのではなかろうか。

「姿勢」という点をついたのが秀逸。つまり、次のように考えていると指摘した訳。
  ・自分達は、若者の馬鹿な飲みっぷりとは無縁だ。
  ・仕事に影響が出るような深酒をしないから、問題なし。
要するに、自宅でリラックスするための飲酒の習慣がありそう、というだけの話。但し、日本では自宅以外も含めるべきだが。

おわかりだと思うが、専門家はこりゃ危ないぜと見たのである。
アルコール摂取が許容量内に留まっているならよいが、それをはるかに越える量を毎日飲んでいたら、大酒呑みでなくても問題が発生するという訳。
どうせプロフェッショナル達のこと、口では、節度を守って飲んでいると称してはいるが、実は結構な量を毎日飲んでいるのではないかナと見たのだろう。
その推測、多分、図星。

だがね、今更、そんなご注意というのもどんなものかネ。
プロフェッショナル系の仕事人なら、それなりの教養人でもある筈で、多量のアルコール摂取が心臓血管系や肝臓に悪影響を与えること位、今更言われなくても、わかっている筈。周囲には、実際、酷い目にあった人も少なからず存在している訳だし。
それに、自堕落で不健康な食生活をしている訳でもないのだ。それなりに節制し、栄養学の観点でもできる限りよさげな食を追求しているのは確か。だが、すべてを厳格に守るのはご免蒙るという人がいて当たり前ではないか。

どうせヒトはいつか死ぬのだ。それぞれ自分の考えるレベルで節度を守るというのが一番だと思う。そりゃ、健康を害すれば、多少はご迷惑をかけることになるが、その分をはるかに越える貢献をしてきたのなら、その位は大目に見て欲しいもの。それ以外に、ご面倒をおかけしている訳ではないのだから。

それに、公言することはないが、プロフェッショナルだと、単なる長寿人生を素晴らしいとは見なさないかも。結構醒めた目で見ている可能性がある。・・・群れる動物達の種族維持のための冷徹な掟を知っているからでもある。"自発的に消える"か、"集団に消される"かのどちらか。例外は動物園の囲われ者だけ。もちろん、このルールはヒトにも適用された。「夜と霧」をお読みになった方なら先刻ご承知の筈。その裏返しが、単純な長寿礼賛というだけの話。そんなものは、奴隷的生活以外のなにものでもなかろうというのが、プロフェッショナルの美学。
酒飲みの屁理屈といえばその通りだが。

(英NHSの記事) Are the middle classes in denial about alcohol use? Thursday May 9 2013 Analysis by Bazian. Edited by NHS Choices [上記の切欠になった新聞記事や参考とされた分析論文リンク付き]


(C) 2013 RandDManagement.com    HOME  INDEX