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■■■■■ 2015.2.6 ■■■■■


経済統計数字を聞かされて

日経によれば、「賃金4年ぶり増 14年0.8%、物価上昇で実質は2.5%減」[2015/2/4 10:31]
矢張りネ。
「減少率はリーマン・ショック後の09年(2.6%減)に次いで過去2番目の大きさ」とのこと。
そもそも、中堅クラスのサラリーマンに尋ねれば、賃金微増でも、実質的可処分所得減少と感じる人が多いとの答えがかえってくる位だから、物価だけの話ではなさそうだが。それに、60歳以上の勤労実態がよくわからないから、賃金増の影響力がはっきりしないこともある。
ただ、労働需給実態からいえば、2014年当初から人手不足状態だから、今後もダラダラと賃金上昇が続き、常雇いも増えるのは間違いあるまい。
1月末の鉱工業生産統計では、多くの業種で上向いているようだし。なにせ、政府も、「緩やかな持ち直しの動き」との判断なのだ。
結局のところ、酷いことにはなりそうもないが、さりとて、経済の好循環が始まるとも言えないというのが実情では。構造改革無しでは、せいぜいが1%成長という今迄の路線とたいしてかわらず、リスクだけが山のように積まれたことになろう。いつか破綻の時は来る訳である。始めてしまった以上、そこから抜け出しようがないことは皆知っているのだから。まあ、帝国陸軍が勝利の見込みもない戦争に引きづり込むのを皆で大いに囃した時代と体質的にほとんどかわらないから恐れ入る。
破綻の端緒とは言えないが、早くも国債入札不調である。次第に、このような不安定化が進むのは間違いなかろう。・・・「【クレジット市場】荒れる国債市場、長期金利2倍に−黒田緩和で歪み」[ブルームバーグ 2015/02/05 14:18 JST]

そもそも、日本は輸出が経済を支えている訳ではない。ただ、そのセクターの生産性が高く、国際競争力があった時代には、経済の牽引車となることが可能で、好循環を生み出したかのように映っただけ。
製造業以外は、国際比較でも生産性は低く、未だに、そこには僅かしか手をつけていない。と言うか、バラ撒きと規制だらけのママ。結局、そのツケが回ってきたと見るのが妥当なところではないか。

昨今の日本経済の状況は、製造業で決まる訳ではなく、あくまでも第三次産業。その第三次産業活動指数[2005年=100]の長期的推移は以下の如し。山の3ヶ月は消費税増税前の一大前倒し消費期間。今後、その分の落ち込みは徐々に回復するだろうが、果たして、将来に期待が持てるゾと語る人がいるのだろうか。


(source) 第3次産業活動指数 平成26年11月分 経済産業省大臣官房調査統計グループ January 16, 2015
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