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■■■■■ 2015.3.1 ■■■■■


失業率上昇を喜べるようになった

1月の統計数字が発表になった。
それを伝える日経記事はコンパクトにまとまっていて実にわかり易い。・・・

有効求人倍率(季節調整値)は1.14倍と、前月と同じで、22年9カ月ぶりの高い水準を保った。
企業の求人は伸びており、人手不足が続いている。

しかも、就業率は前年同月比0.5ポイント上昇し57%に。就業者実数では、女性が29万人増、男性は19万人増。
驚いたのは、65歳以上74万人増。結構な話だが、減った世代もある訳でことになるから、どういうことか気にはなる。農林業9万人増という数字も、なんだカネか。

ただ、人手不足でありながら、完全失業率は3.6%と前月より0.2ポイント上がった。完全失業者が7万人増えたからだ。
もっとも、そのうち、解雇など意に沿わない失業は1万人でしかない。新たに職を探す人が3万人で、良い条件の仕事を探して自己都合退職した人が3万人。
このような内容の失業率上昇はまことに喜ばしい数字と言えよう。

これで消費も次第に回復していくことになろうと言いたいところだが、そうはいかないようだ。
小売販売額は前年同月比2.0%減と結構な大きさなのだ。2014年6月以来7カ月ぶりの前年比マイナスである。しばらくは、消費税率引き上げ前の駆け込み需要というか、需要の先食いの影響がモロに出続けることになる。
耐久消費財的な分野での数字は実際かなり悪い。自動車4.4%減、家電大型専門店11.6%減、ホームセンター5.9%減。
土曜日が前年より1日多かったにもかかわらず、百貨店は0.4%減であることを見ても、回復は相当先と見てよかろう。
もっとも、飲食料品は2.7%増だし、コンビニエンスストアは6.2%増と、価額上昇もあるが、こうした分野での商品は堅調と考えてよさそう。

日経の経済記事は、素人にもわかり易い書き方。できる限り実態を伝えようという意欲を感じさせ、良質な報道と言えよう。日本を代表とする経済紙として、こうした記事をフリーで読める現在の姿勢を続けて欲しいもの。

できれば、防衛調達関連の記事もこのような質に高めて欲しいものである。小生も含めて、読者の知識が限りなく低いこともあるから、致し方ないと言えなくもないが、今のままでは拙かろう。(必要そうな装備を先送りし、無用そうに映る装備の調達を急いでいそうに映るが、その理由がさっぱりわからないからだ。しかも、必要理由が、こちらの予想と違っていたりする。)
経済紙として、合理的な見方を提供し始めれば、この分野も大きく変わるのではなかろうか。ポジションターク紙の報道には今後も期待できない訳で。

(日経の経済記事)
求人倍率、1月1.14倍で横ばい 失業率は3.6%に上昇 2015/2/27 10:48
1月の小売販売額、前年比2.0%減 7カ月ぶり減少、駆け込み反動で 2015/2/27 9:27


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