表紙
目次

■■■■■ 2015.9.12 ■■■■■


日銀総裁は本気でそう思っているのか?

唖然。・・・
  "日銀の黒田東彦総裁は
   10日の参院財政金融委員会で、
   7〜9月期の実質成長率について
   「毎月の各種統計を見る限り
   プラスになる可能性が高い」と発言した。
"

同日発表の機械受注統計では、"民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、6月に前月比7.9%減の後、7月は同3.6%減となった。"というのに。素人からすれば、ついに長期的傾向がプラスからマイナスに転じたとしか見えない。在庫調整とか景気の揺らぎではなく、構造的な結節点を迎えただけと見るが。金融政策でなんとかなるようなものではない。

そもそも、7日に発表した内閣府の基調判断は"景気動向指数(CI一致指数)は、足踏みを示している。"というもの。
前四半期ほど大きなマイナスにはならないと見ているというなら、わかるが、足踏み状態なのにどうしてマイナスからプラスに変わるのかネ。何の根拠あってのことなのだろうか。

小生には統計を眺めても、プラスに転じる理由はさっぱりわからぬ。
野党議員とは、このような説明不十分な答弁で納得するらしい。まあ、バラ撒き要求が経済政策と考える人達だらけだから、期待する方がおかしいか。

そもそも、今の世界経済状況で輸出企業が設備投資マインド上向きになることなどおよそ考えにくい。エネルギー価格の下落で一息ついているとはいえ、国内サービスセクターも業容拡大に動くとは思えまい。統計的にはどうなっているのかわからぬが、店頭の商品価格を見れば、円安をカバーできる値上げをしているとも思えない状況なのだから。

消費動向も低調が続くと考えるのが常識。8月の消費者態度指数は+1.4だが、41.7である。内閣府の見方も当然ながら"足踏み"。長期で見ても回復基調にあると語れる人などいるとは思えない。


小生には、今回の日銀総裁発言が客観的データに基づいたものとは思えない。但し、翌11日発表の大企業景況判断指数はプラスで2四半期ぶり。

(記事) "7〜9月成長率「プラスの可能性高い」 日銀総裁 " 日経 2015/9/10 12:38 大企業景況判断指数、7〜9月は2期ぶりプラス 自動車が改善 日経 2015/9/11 9:40

(C) 2015 RandDManagement.com    HOME  INDEX