■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[12f釋水]■■■
正直言って、釋水は詩作の質を高める内容になっている感じがせず、さっぱり面白味に欠ける篇である。
「說文解字」≪水≫部も帝国圏内河川の固有名詞だらけだから、つまらないこと夥しい。
字書であるから、中華帝国の地誌に関係する語彙になるとどうしてもそうならざるを得ないのかも知れないが。

しかし、後者の場合、文字宇宙秩序論提起の書という視点で見ると様相は一変。

「爾雅」の篇建て<天→地→丘→山→水>は丘が目立つものの、基本通俗的。一方、「說文解字」となると、卷十一≪水≫部に至る系譜はまるっきりわからず、ほとんど超難解パズル。そんなものわかる筈が無いというのが一般的認識らしいが、滅茶苦茶に並べている訳がないから、読むつもりなら、自分なりの解を見つけようと努力するのが礼儀というもの。
それを放棄するなら、著者の主張は何一つわからなかったと手をあげたも同然。そうでは無いと豪語するなら、「說文解字」の編纂は出鱈目とみなしたことになる。

ともあれ、巻十一冒頭の部首<水>に至る文字系譜など、どうなっているのか、ほとんど五里霧中。

結局、巻五・六・七と巻九・十を飛び越えて繋がっていると判定せざるを得なくなり、想定する自分自身で本当かとの疑問を覚えることになる。ただ、数字1〜9の繋がり方も、巻の甚だしい跳び越えがあるから、そうおかしなことでもなかろうと自分を納得させることができるので助かるが。

以下は小篆では無いが、概ねの繋がりは想定できる。・・・
[卷一]一─丄─示─三─王─h─
 [卷二](=𭕄)─八─半─牛─告─
  [卷三][䇂+口](䇂─丵─)
       又(=𠮢)─攴[⺊+又]
   [卷四][方+攵[攴]]
      𣦼[⺊+夕+又]
       死[歹[一+夕]+匕](=𣦸)
   [卷八]人─儿(=兒)
       欠[⺈+人]─㳄(=涎/𣳧/𣶚/𣶙)
         [卷十一](=𡿭)沝𡿨永谷雨魚燕龍─飛卂

  一:惟初太始 道立於一 造分天地 化成萬物
    三:天地人之道
   h:上下通 through up and down
  口:人所以言食 mouth    or 祭器ritual vessel
    又:手 on the hand
  攴:小擊 rap
  死:澌 人所離 death⇒ 人 mankind
  㳄:慕欲口液 saliva ⇒ 水 river(water)…イメージ的にはflowing liquid
    儿:仁人a standing person
  

     

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