■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[13t釋草]■■■
「爾雅」を眺めていると、「說文解字」の洞察力がただならないことが見えてくる。"麻"が会意であるとしているが、確かに、小篆創成の官僚からすればそうせざるを得まい。麻文字を汎用化するために、原義が改められたと見てもよいだろう。
  麻=广(廣)+𣏟("苧麻的"木質繊維部剥艸)
日本国に於いて、大麻は非合法を意味するので情報は歪んでいる可能性が高いし、簡単な解説に留めているだろうから、ここで触れておきたい。

「爾雅」で気付かされるのは、"麻"文字がバラバラと収録されていること。
  <大鞀謂之麻 小者謂之料>@釋楽
  <枲 麻> <芓 麻母> <薛 山麻
麻は3種類存在しているが、揃って記載されていないから、同類であれども、それぞれ違う観点で見るべきと示唆していることになる。
現代でも、確かに、麻文字は錯綜して用いられており、その文化をママ引き継いでいるご様子。

日本語があるので、すぐにわかるが、布の原材料はアサ チョマ アマ ゴマがあることになる。常識的には、亞麻と胡麻は油糧的用途に映るので除外しがちだが、実態は異なる。リネンとは亜麻布。
チョマは現代日本で語られない語彙化しつつあるが、倭語だと真。これこそが正式の麻布の草。大陸では、大麻が主流だったようで種が異なる。・・・

 ┌─蕁麻イラクサ[刺草]nettle
 │  苧麻チョマ[苧(苎)麻]/マヲ[真麻]ramie
 │  艾麻ムカゴイラクサ[珠芽刺草]
 │  水麻ヤナギイチゴ[柳苺]wild rhea
 │  [樹木](長梗)紫麻ハドノキ[(杷杜木)]purple woodnettle
 │  {牆草}カベイラクサ[壁刺草]@欧州pellitory-of-the-wall
 │
麻┤    枲/葈カラムシ[唐厶呆] ⇒𦂅
 │
 └─大麻/火麻/苴麻アサ[麻]hemp
    尋常cultivated…高背木本的茎(THC/CBD低濃度)
    印度@Mt. Hindu Kush…マリファナ主要物質THC超高含有
    莠草autoflowering(変異多様小型)…CBDのみ高含有
亞麻アマlinseed…金虎尾類  ⇒(麻布)リネン[亜麻布]linen
芝麻/脂麻/胡麻ゴマsesame…紫蘇類
蒼耳實/葈耳/羊帶來オモナミ[巻耳]cocklebur…菊類

さて、そうなると、「爾雅」の麻 麻母 山麻ははたして、どの3麻かとなるが、大麻の3種(これ以外には措定されていない。)ではなかろうか。尋常大麻は大型で繊維大量生産用。アフガンで有名になった高収益なマリファナ種は高地栽培。こちらは印度大麻だろう。野生で、小規模群生種は小さくて色々なタイプがある。
  

     

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