■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[13x釋草]■■■
「古事記」では"葦"は日本列島を象徴する草として登場してくる。29用例。
 如葦牙・・・宇摩志"阿斯"訶備比古遲~
 此子者入葦船而流去
 葦原中國
   葦原中國
   葦原色許男~
   葦那陀迦~
     豐葦原之千秋長五百秋之水穗國
     葦原中國
     如取若葦搤批而投離者 卽逃去
       葦原中國
       豐葦原水穗國
 葦原中國
 葦井之稻置之祖
   葦原色許男大~
     葦田宿禰
       興軍待戰 射出之矢 如葦來散


「爾雅」ではone of them的草としての扱い。文字が3種類あり、音読みだと、i、k-、r-であり、全く異なるイメージの文字としか思えない。
"葦"は物理的に強靭な草ということでの様々な用途があるということだろうか。一方、"葭"は笛的な情感が被っていそうだし、"蘆"になると、家庭内での食生活に係る草という概念に映らないでもない。もっとも、現代人の感性で考えているから当たっている可能性は低いだろう。

茭 牛蘄 葖 蘆萉
葦醜 芀  葭 葦  蒹 薕   葭 蘆 @釋草
鳭鷯 剖葦 …ヨシキリ@釋鳥

 葦:大葭
 葭:葦之未秀
  芀:葦華
 蘆/芦:蘆菔 一曰薺根
     蒹:雚之未秀  雚:小爵
      薕/蔔:蘆菔  菔:蘆菔 似蕪菁 實如小尗

「詩経」には色々と登場してくるが、問題視されている箇所があるので触れておこう。・・・
   蒹葭蒼蒼 白露為霜 所謂伊人 在水一方
   溯從之 道阻且長 溯游從之 宛在水中央
   蒹葭萋萋 白露未晞 所謂伊人 在水之方
   溯從之 道阻且躋 溯游從之 宛在水中央
   蒹葭采采 白露未已 所謂伊人 在水之湄
   溯從之 道阻且右 溯游從之 宛在水中沚

      [「詩經」國風 秦風 蒹葭]

字面上では何らの難しさも無いが、解釈は揺れている。と云うより、「詩経」はその様な作品集であるということで、ある意味、「爾雅」はその揺れ解釈的な詩作ができる能力を磨くためのテキストとしての役割を担っているともいえよう。

①ガチ儒者としての解釈。これが即時にできるレベルに達する必要がある。
 尋禮
  仁⇒露 義⇒霜

②形而上過ぎるのも考えモノなので、儒教国家としての基本理念に沿った解釈をするのが一般的。
 尋水邊隱居賢人
  @富國強兵期

③いくらなんでも、そこまで思想性を追求するのは硬すぎると感じたなら、軟派も悪くはない。あくまでも、そうも読めるネ、との姿勢で。
 尋在河岸(中)戀人
  愛情詩歌

④古代の観念で読み解くべきという姿勢もあり得るが、儒教的見解から外れてしまうので、中華帝国の社会規範には合わない。
 尋"水の女神"(白川静:「詩経研究」1981年)
  蒹葭⇒普通百姓 or 常人

素人の常識的感性からすれば、河辺の葭に河伯の存在を感じているという解釈になろう。どうして、そういう状況になっているのかを理解することが鑑賞行為になる訳だが、天子独裁-官僚統制社会が抱える矛盾に直面させられた苦悶が表現されているということ。当然ながら、その苦悶の本質の捉え方は人によって大きく異なるが、現代日本の場合、儒教的価値観からの見方が多そう。それをリベラル的と考える人も少なくないから、この議論は避けた方がよさそう。

│蘆葦ヨシ/アシ[葭]reed
│ 日本葦ツルヨシ[蔓葦]
│ 卡開蘆セイタカヨシ[背高葦]tall reed


│香蒲ガマcattail grass
│  K三稜ミクリ
│穀精草ホシクサpipewort
│燈心草イグサrush
│莎草カヤツリグサrsedge
│帚燈草/薄果草サンアソウ[三亜草@海南島]restiad


│裂稃草ウシクサ
│薏苡ハトムギ[鳩麦]
│ 𧆐/𦼮ジュズダマ[数珠玉]Job's tears
│檸檬草レモングラスlemon grass
│ 橘草オガルカヤ[雄刈萱]
│白茅/藗チガヤ[千萱]cogongrass
│鴨嘴草カモノハシ
│柔枝莠竹アシボソ[脚細]packing grass
│芒ススキ[薄]Chinese silver grass
│ 荻オギAmur silver-grass
│油芒アブラススキ
│束尾草アイアシ[藍葦]
│金絲草イタチガヤ

  

     

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