■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[14x釋木]■■■ 注目を浴びることなどなさそうな、"喬木"記載箇所が妙に気になったから。・・・ 句如羽 喬 ≪→≫句:曲 →幼芽tender bud ≪夭≫喬:高而曲 伐木丁丁 鳥鳴嚶嚶 出自幽谷 遷于喬木 嚶其鳴矣 求其友聲 [「詩經」小雅 鹿鳴之什 伐木] なかなかに詩的な表現との印象があり、流石、「爾雅」という感慨もあったのだが、羽根の如くにという表現がどういったイメージかついつい考えてしまった。しかし、それは既に説明されている。・・・ 宮謂之重 商謂之敏 角謂之經 徴謂之迭 羽謂之柳@釋樂 <五聲/五声>7音階名=宮・商・角・変徴・徴・羽・変宮 無味乾燥な用語でなく、重・敏・經・迭・柳が雅語ですゾと言うことか。確かに、音階名称を柳と呼ぶのは色を感じさせるので絶妙かも。 そして、釋木ではもう1つ。・・・ 栩[柔 木 其皁…一曰様] 杼[機之持緯者] …くぬぎ(羽種樹木) 𣏗:栩 様:栩實 (衝羽根という樹木もあるし、紅葉の種にも2枚羽根、等、翼果は数多い。) (𦭳という文字も在るし、衝羽根草等々探せば色々あるだろう。) ・・・本来の字義は、feather羽毛ではなく、wing(翼/𦒖/冀/䋚)と違うか。(但し、種が羽毛的な鞘で覆われている草木も多いし、柔という表現から見て、そちらが正当と言うべきかも。) 羽蟲たるbird鳥類にしても、身体を被覆するのが羽毛であるということではあるものの、有翼動物という意味も大きいように思えるし。 二足而羽謂之禽 四足而毛謂之獸@釋鳥 羽本謂之翮 一羽謂之箴 十羽謂之縳 百羽謂之緷@釋鳥 ≪羽≫翮:羽茎 ≪竹≫箴:綴衣箴 …針 ≪糸≫縳:白鮮色 →白色細絹成束鳥羽軽量単位 ≪糸≫緷:緯 →百根羽毛捆成束 鮙 翅(𫊼/蛡) 扇のイメージもそんなところだろうし、翼の驚異的能力があるからこその翔𮪄𪊮𪓦といった文字の成立という気がする。 対になっていなくとも、arrow矢が飛んで往くのは、まさに翼的な訳だし。 金鏃翦羽謂之鍭 骨鏃不翦羽謂之志@釋器 ≪羽≫翦:羽生 ≪金≫𨩀:矢 金鏃翦羽謂之𨩀 ・・・ダラダラと眺めて来たが、要は、何故にwing翼とみなされないかという点。単なる羽根を意味するなら、対文字にする必然性ゼロと云うべきだからだ。 そこらを書いておこうという訳。 つまり、素人の常識的見方では<习 → 羽 → (習)>。(3畳文字は使われていない。) ところが、文献初出の流れでは間違いなく逆の、<習 → 羽 → 习>。従って、習は羽の本字と記載されていたりする。 要するに、"羽"は極めて新しい時代に官僚が創出した文字なのだ。このため、極めて誤解を招き易い状況にある。<羽 → 羽>であるものの、それは<𰀪 → 冫>が極めて新しい時代に行われたという話。 その部分に着目するなら、もともとは<彡>の<𦏲>だった筈。さらに付け加えれば、これこそが、小篆系の文字であって、<羽>ではない。("角は2本で毛は3本"というのが、表現としては自然。) それでは、何故に、えらく現代に近くなってから、<习>が登場してきたのか。 それは、<䨒[水音]≒䨮[凝雨 說物者]≒雪[n.a.]>に気付いたからだろう。雪には音は無いから、羽ばたく音ではなく、白い綿毛イメージ。 <羽>は、snow文字に化けたとも言えそう。wingとは無縁。 王朝官僚の決定により、雪文字が成立し、羽文字はその字義を消失させられたことになる。 ≪乙≫习:n.a. =習 ≪→≫羽:鳥長毛[象形] 翎:羽[羽+令] 「說文解字」は雪は避けているものの、ある程度そこらを理解した上で文字系譜を作成している。小篆を創出した官僚の考え方を、儒教的秩序としてとらえ返していることになる。・・・ <三─王─・・・─牛─告─口─・・・─又─・・・─目> 目 ├┬┬┐ 䀠眉盾自 ┌──┘ ├┐ 𪞶鼻 ├┐ 皕習 ┌┘ │ 隹 ├┬┐ │奞雈 ││ │𦫳 │├┬┐ ││𥄕羊 ││ │ ││ 羴 └─┐ ┌┘│ │ ├┬┬┬┐ │ 瞿雔雥鳥烏 𠦒 │ 冓 ここで話を終えたのでは、さっぱり面白くない。 wingはどこに消えたのかということになるからだ。 それは≪水≫の信仰に組み込まれたのである。・・・ 翻:飛[羽+番] 翾:小飛[羽+瞏]聲 翬:大飛[羽+軍]聲 翏:高飛[羽+㐱] 翩:疾飛[羽+扁] 水 ├┐ │龍:鱗蟲之長 能幽 能明 能細 能巨 能短 能長 ││ 春分而登天 秋分而潛淵[肉 飛之形 童省] ││ │├卂:疾飛 ││ │燕:玄鳥 籋口 布翄 枝尾[象形] ├┐ │𠃉:玄鳥 齊魯謂之𠃉 取其鳴自呼[象形] └─┐ ┌┘│ │ 不 │ │ │ 至 │ 西 │ 鹵:西方鹹地[西+省 象鹽形]安定有鹵縣 東方謂之㡿 西方謂之鹵 ⏩続 (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |