■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[15e釋蟲]■■■ 蟫 白魚(「說文解字」も同じ。) …シミ[衣魚/紙魚]silverfish 体形を魚に見立てているので魚とされた、とされる。元ネタは「本草綱目」の推定か。尾が二岐に分かれているとの見方。 しかし、誰が見ても、尾鰭形状ではない。 3本の毛(纓尾)が飛び出ているだけ。"○魚"という名称しか使われていないので、無理矢理に当て嵌めたか、異なる種を指している、のどちらかとしか思えない。 つまらぬことを指摘しているのは、現代人も含めて杜撰な観察力で判断していそうなので、書いておきたくなったから。・・・ シミは大量発生するから、確かに小蟲ではあるものの、変態しないし、翅は無い上に、甲も欠くから、昆虫系と見なす道理などあり得ない。しかし、自然科学者の指摘に従って昆虫の仲間として覚えることになっている。要するに、現代人の判断とは丸暗記以上ではないことを示している。この程度の能力しかないのに、何故、シミを魚と呼ぶのかわかる訳がなかろう。 しかし、もし、その表皮の状況を眺めたなら、4000年前のヒトでも、即座に分類が決定できるだろう。鱗蟲である。 それを考えると、名称は色々あるが、呼び替えと見なすのは考えもの。余りに、日本列島的発想が過ぎている。 もともと桐や楠の効果が知られていたので、衣魚と呼ばなかったのだろうと考えがちだが、多分そうではない。 書籍を読もうとすると、その存在が目立つのでこの名前が通用してしまっただけ。衣魚と違って、紙への実害はほとんど無いのだからこちらの名前は無視してもよさそうなものだが。 ともあれ、現代日本での代表種は大和紙魚。体色が薄褐色な室内棲息種だが、固有種なのかはわからぬ。これに次ぐ列島棲息種ははっきりしない状況。しかし、想像されるように、欧州から侵入したと思われる種、白色系の西洋紙魚、の勢力が急成長し今や逆転状況らしい。 シミは食性が雑多で棲息域での棲み分けが顕著。しかも、背筋に線模様があったりして。目視で多種であることがすぐにわかる。その気になれば異なる種の同定など容易。それだけのこと。 衣魚(斑衣魚・・・) 紙魚 壁魚 白魚(白帯魚・・・) 蛃魚 蟫魚 蠹魚 etc. 本草的な食の対象として人気が出て当然だろうから、シミの細分類はかなり進んでいたと考えるべきだと思う。 「酉陽雑俎」の書きっぷりから想像するに、唐代だと、是非にも食したいインテリだらけだったと睨んでいるのだが。道教が流行っていたのだから、字を食したシミを集めた商売があって当然ということ。書籍一巻がキャリーバックに収まらない容量だったのだから。 実は、コレを書いておきたかったのでシミを採り上げたのである。小篆の蟫に仰天させられたので。・・・長期塩漬け食材としての子蟲と違うか。天子着用衣服の衣魚が、微量な極上珍味として供されたとは思えないものの。 ⏩続 (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |