■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[15h釋蟲]■■■
釋蟲にはは収録されておらず、虫偏文字のみ。
  <蚅 烏蠋>=𧉵…けむし(蝶蛾の幼虫 hairy caterpillar)
国名として通用しているから当然だろう、と。
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 【秦】              【燕】
   【齋(姜-田)】[魏] [韓] [趙]
    【周】【鄭】【宋】【魯】
 【晉】             【楚】【吳 越】
 {蜀}{巴}
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しかし、河川や山丘記載上の地名としても全く登場して来ない。「爾雅」の強烈な意思表示と見てよいだろう。
    後世…蜀漢[221-263年] 前蜀[907-925年] 後蜀[934-965年]
一方、「說文解字」では文字解説で地域名として頻繁に使われている上に、小篆上の原義は蟲であると。
鋭い指摘。
蟲文字だが、同時に、それは部族名としても使うことを示唆している訳だ。合字も意符付カイコであることは歴然としているし。
:葵中蠶[虫 上目象蜀頭形 中象其身蜎蜎]  …@成都
   <屬者嶧 獨者蜀>@釋山
   <鷄大者 蜀 蜀子 雓>@釋畜
 [口]:喙
 [走]:行皃
 [足]:蹢躅
 [攴]:去陰之刑
 [骨]:髑髏 頂
 [角]:抵
 [韋]:弓衣
 [衣]:短衣
 [尾]:連
 [欠]:盛气怒
 [犬]:犬相得而鬬 羊爲羣 犬爲獨也
 [火]:庭燎 火燭
 [水]:水⊂出齊郡嬀山 東北入鉅定
 [斗]:相易物 俱等爲斣
 [金]:鉦 軍法…司馬執鐲
:蟲[象形]  …@重慶 西南に巴国[「山海經」海内経]
 [革]:轡革
 [木]:收麥器
 [巾]:帛三幅曰帊
 [白]:艸華之白
 [豕]:牝豕
 [珡]:琵琶義當用枇杷
 [手]:握
 [帚]𢃳:𢱧擊
 [金]:兵車
[門]:東南越 蛇穜  南方蠻閩-虫  …@福建
[䜌]:南蠻 蛇穜  蠻夷
   <九夷 八狄 七戎 六蠻* 謂之四海>@釋地
[延]:南方夷
[疋]=蜑
尚、蚕はカイコとは限らない。・・・
  <螼蚓 蜸蚕>=蛐蟮…ミミズ[蚯蚓]earthworm
蠶 𧕽 𧌩  𧖟 𧑯
 蠺 䘉 䗞 蝅 蚕/𧉂
           𧉏
           䗝

*南方小部族は、もともと蠻Manと類似音の名称だった、との見方もあるらしい。(閩越Minyue 緬甸Myanmar 苗hMong 勉Mien 姆魯Mro 姆盧Mru 同埋芒Maang)・・・一般用語としての自称を、外部の人間が当該部族固有名とみなした可能性を示唆していることになろう。

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【一言】三星堆遺跡での"縦目"青銅人面器出土は、唐代書「酉陽雑俎」のタイトル予言通り。残念ながら、その意義を感じ取る人はいないが。
忘れてはならないのは、"縦目"という用語を、目玉が棒状に飛び出る形状との説は皆無だった点。これを比喩的な表現とみなしたり、顔面上に目が縦に並ぶといった、何の根拠も無く、論理さえも欠く説明がなされていたのだが、その手の恣意的見方がこの出土で変わった訳ではない。この像を蜀侯<蚕叢>と見なせる論理構築がされている訳ではないからだ。
(眉間の穴に挿されて聳え立つ棒や、巨大な耳朶も矢鱈に目立っているが、それが意味するものは何かも語られていない様だから、以前となんら変わらない。この棒の意味は、「說文解字」の小篆字体から推定した様々な字義解説を見ていると、カイコ的触器と考えざるを得ない。甲骨に無く小篆にだけある、鬼のムの様に気を動かす威力もあるかも知れぬ。)・・・俯瞰的に(暗記/膨大引用型や分析思考でなく概念思考を目指すという意味である。)じっくり眺める必要性を感じさせる。
「山海經」は怪物だらけだが、この"縦目"同様に、それを事実として解釈する必要があろう。例えば、二又尾や二頭蛇と記載されていたら、それは存在したと見るのが筋。現代でも、時に発見されることがあることはよく知られており、確率的に超低いだけ。単なる遺伝子発現異常で、存在しない夢想上の怪物という訳では無い。古代、その様な異常生物が発見されると、祭祀的カリスマたる部族長が対処した筈で、その結果の伝承が、「山海經」に残されていると考えるのが自然。当然、その特徴がデフォルメされ、知識の範囲内でその意味を語れそうな表現になるのは自明。それを脚色とか、比喩と呼ぶことになってしまう。古代人感覚用語としては妥当とは言い難いが致し方ない。

  

     

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