■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[16ia釋魚]■■■
日本型表現の≪五種削物≫で採り上げたなかに介類が入っている。・・・
  蚫「運歩色葉集」@「古事類苑」飲食部
  園鮑「庭訓往来」
  あはび「貞丈雑記」1843年

無視する訳にもいかないし、現代でも日本で通用するので、一応、この表記を尊重したが、日本独自の用法である可能性が高い。
  蚫 鮑/鰒 海耳[Jp.不合身あわび]
    蚫:n.a.
    鮑:饐魚
    鰒:海魚名  (「爾雅」はすべて非収録。)

どういうことで大陸と不合なのかとなるが、"包"という意義が関与していると考えれば、どうということはない。

日本では、漢字はそういうものとして理解しているということ。Fish名称用に國字なる独自創造を進めて来たのも、その見方が定着していたからにほかなるまい。
・・・当たり前である。「說文解字」をまともに検討すれば、漢字とは表意文字であると書いてあるとしか思えない訳で。字体の説明を読めば、合字形は、字形によって字義が左右されるとしており、会意の規定は通用しないことになる訳で。しかも、部首内の文字の並びを見れば、部文字が意符で、残りが音符であるという単純な合字では無いと説明しているようなもの。

もっとも、そうした指摘を不愉快に思う人達も少なくなかろうから、表立って主張する人はいまい。

そうなれば、アワビ表記は「神農」で使われる"石決明"が選ばれることになる。言うまでもないが、アワビという生物種の名称ではなく、貝殻を服用可能な剤形に加工したものを指す用語であるが。

「說文解字」の書き方から推定すれば、包という意義で"饐魚"だから、代表的な食材ということになろう。しかし、大陸ではそうは読まない。魚種名ではなく、利用に関する一般用語と。そうなれば、日本流に言えば"開き"の塩漬品名とするしかない。しかし、日本列島では、腐敗の観点から、魚肉を包む様にして使うことは滅多になかろう。大陸での解釈には違和感紛々。
従って、「說文解字」の考え方で種名として措定するなら、包む形状で食すアワビにならざるを得まい。"蚫"をアワビと認定する方針は極めて自然と云えよう。しかしながら、魚偏で鮑と書かれるとピッタリ感は薄れてしまう。そうなると、鰒表記に傾いて当たり前。
現代でも、アワビは腹足貝類の代表として立派に通用するのだから。
  

     

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