■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[16xxxxa釋魚]■■■ 繰り返しで、くどくなるものの。 古代信仰に由来するとされる伝承譚は、まず間違いなく、キメラ体のトーテム偶像描写が絡んでくる。さらに、そこに古代王朝のレガリアが被さるのが普通。 神話情報が欠落していると、この手の情景の意味は皆目わからない。 中華帝国化とはトーテム部族の神話を消し去る流れでもあるから、その内実を知ろうと、後世の人々がいくら努力したところで、この意味が見えてくる道理がなかろう。"異界"のフィクションとして片付けるしかない社会に仕上げられているのだから致し方ない。 しかしながら、人々の精神的古層に、そうした古代の観念の残渣があってもおかしくないので、親和性を感じる人も少なくなかろう。そうなると、"怪"的生物に尾鰭が付き、面白話に仕立てあげられることになる。本来の神話部分と、後世作出箇所の仕訳はますます難しくならざるを得ない。 問題はこれだけではない。 「酉陽雑俎」が教えてくれるように、知識を欠いている"異"国の事実は、忠実に(デフォルメ的に)描いているだけでも、"怪"や"珍"な生き物に映る。従って、フィクションとしがち。 さらに、比喩的表現での部族民表現もあるから(現代米国での差別表現で云えばredneck peopleに当たる。)それを理解できないと、滅茶苦茶な解釈をしてしまうことになる。 さらに、時代変遷に合わせて宗教的なイコンも都度発生するから(多頭など当たり前の現象。)、その表現も"怪"と感じる人もいよう。 ・・・現代人の頭のなかでは、これらの雑多な表現がごちゃ混ぜなのが現実。古代神話のキメラ体的神々だけを峻別するのはそう簡単なことではない。 なかでも厄介なのは、"異"国の事実表現。俯瞰的に眺める習慣と、洞察力が無いと解釈はまず無理。 すでに取り上げた<鯤 魚子>が好例かも。📖・・・ 「爾雅」の魚子は集合名詞的。 一方、「說文解字」では、この文字を避け、細かい稚魚を指す用語として別字を収録している。 鮞:魚子 䲊:魚子已生者 鯤=北溟大魚との記述とは、一見、相反。 ところが、一面暗くなったなかで発生する竜巻の情景を意味すると見抜けば、なんらおかしな記述ではないと気付くことになる。 (髭)鯨の巨大な潮の噴き上げ情景を知っているなら、海での竜巻をその一種と考えるのは、間違った見方とは言いかねよう。竜巻発生でとんでもない数の小魚が天から降って来るのだから、鯤が空に昇り鵬[オオトリ]と化したという以外に説明のつけようがなかろう。 ⏩続 (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |