■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[18k釋獸]■■■
註記のあり方について。

<狒狒 如人 被髮 迅走 食人>を例に。

猿的"犭"分類
📖では現代の猴類ヒヒは該当しないようである。
  阿拉伯狒狒マントヒヒHamadryas baboon
  幾內亞狒狒ギニアヒヒGuinea baboon
  東非狒狒アヌビスヒヒolive baboon
  草原狒狒キイロヒヒyellow baboon
  豚尾狒狒チャクマヒヒChacma baboon
  金達狒狒キンダヒヒKinda baboon
この動物はヒト的社会を構築しているので、それを知っていると、サル系から外すのは自然。とはいえ、非獣として扱うかは微妙なところ。
  📖狒々@「酉陽雑俎」の面白さ

「山海經」のヒトと非ヒトの峻別は記載が明瞭なのでわかり易い。・・・ヒトは、いかにその姿が奇怪に映ろうが食禁忌の範囲内であるということ。常態人と異人の違いでしかない。従って、首無しの様な異体表現の様に、現実離れしていたところで、それは当該部族の神話的標章として描かれているに過ぎず、幻想とかフィクションと考えるべきではないと思う。
一方、非ヒトについては、原則、食べるべき対象。但し、"~"とみなされると、食については、特別なルールが適応されることになる。さらに、部族始祖トーテムとして偶像化されていると、キメラ的異体の様な木乃伊造形物への尊崇が確立しているから、当該部族領域のID的に地誌に登場させることになる。

ヒヒについても、そこらを踏まえて考える必要があろう。

つまり、文字的記載では2系列併存となる。
1つは、犭偏文字。ヒトに似るものの、指定されていなければ非ヒト。
もう1つは、禸の類。ヒトの如く、棲息地もバラエティに富んでいる。(熱帶雨林 灌木草原 半荒漠草原 高原山地 低山丘陵 峽谷峭壁中)この場合、異人と見なすことも可能。
≪犬 犭≫
 狒:n.a.
 𤝟
≪禸≫:獸足蹂地
 𥜿
 𥝃
 𦦔
 𥝆
 𥝈
 𥝋:周成王時 州靡國獻𥝋 人身 反踵 自笑 笑即上脣掩其目 食人 北方謂之土螻
      ↑壽麻之國@「山海經」大荒西経
実際、どう扱われているか見て見ると、バラバラ。・・・
 異人扱いとしては、"野人"。
 食人の獸並みとするなら、"人熊"。
 周王朝では実見したので、"𥝋"。
 「爾雅」としては、獸扱いの、"狒"。
 このことは、7番目に当たる絶滅させられたヒヒが存在したことを意味している可能性もあろう。

この程度で済むなら、採り上げる気がおこらないが、さらなるトンデモ表記がなされているので、要検討となる。・・・
 "梟羊"
 "山都"
 "土螻"

羊の概念は広く、現代になって中原で発掘された、信仰対象総覧とも言える卜千秋墓壁画@前漢中期にも羊が描かれているから、その類としたかったのだろうとは言え、ヒヒと羊では違いが有り過ぎ。こうなると、ココで思考停止に追い込まれかねない。

しかし、この語彙は、山羊系の異形を意味しているだけと考えれば、実はどうということもない。羊族の場合、異形は特段の怪として片付ける必要は無いし。(4角や1角は現実だからだ。現代でも、稀であるものの、英国では4角が誕生することがあるし、畜であるから、幼体の角を矯正してねじり1角にする風習も。多目や異常部位の目とは、周囲に敏感で臆病な性情を、マナ的な気を感じ取る感覚器ありとしたのだろうし。勿論、尾肥肉が追求された畜であって、邪魔なら切断は当たり前。所有票的異形の尾の存在はなんら驚きではない。"土螻"は"吐喽"という叫び声とみることができる。)

要するに、羊トーテム部族とヒヒがたまたま結びつけられたというだけのこと。その部族の邑の名称は【梟陽】。そして、部族の民の姿の特徴は、ヒヒ似とされることに。
  
     

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