■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[19aaa釋畜]■■■
"馬 魚 𤉡 熊 鳥 燕 爲"を採り上げたが、最後の文字については少し説明が必要だろう。

冒頭3篇では<作 造…【爲】@釋言>だけだったのに、釋親に入った途端に、<〜爲〜>が88ヶも並び壮観。もちろん字義解説文でのことで、項目が存在している訳ではない。
この先もその記載方法が続くと思いがちだが、次の篇の釋宮では、たったの2用例。
  鷄棲於弋
  鑿垣而棲
その後で多いのは釋天 釋水で48 26。他はせいぜいパラパラ見かける程度。
そして最後の用例が書末篇〆の6ッ<鷄三尺爲鶤━━六畜@釋畜>。

この為だが、「說文解字」ではマカク♀とされているので、驚かされる。・・・
  "爲/為":母猴 其爲禽好爪 [爪 母猴female macaque象]
         [王育曰:"爪象形也"]
もっとも、一般には、金文では象と手に映る字体なので、小篆も[爫(又→爪)+象elephant]と見て、調教(象を手懐ける状況)、あるいは、使役(飼い馴らした象への命令)というイメージを表現した文字と受け取られているようだ。
手は象の頭の上に持ち挙げる鼻の比喩ではないらしい。(字体によっては、冠でなく、手様の偏の文字があったりするし。それに、"爲"に動物としての意味が重なっている用例が皆無だから、その手の解釈は避けたようだ。)
しかし、金文になると、甲骨で象と見なしている部分がかなり異なる字形の文字も現れている。小篆だととても象とは思えないし、下部は連火で巨大な象足とは異なる印象を与える。
殷代と違って、小篆成立時には、中華帝国内では象は絶滅していただろうし、天竺棲息種も戦争に登場しなくなっていただろうから、高度な調教対象動物とのイメージが残っていなかった可能性もあろう。だからこその、マカク推定と合いなったと見れないこともない。

それに、"象調教"が元義であったとして、そこから<作 造>を筆頭に、様々な意味が派生したとの流れの説得力も今一歩。調教とは隔たりが大きすぎる語義・用例だらけとしか思えないからだが。・・・
(それよりは、マカクの支配地に手を突っ込んでの文明化という意味と考えた方がまだよさげ。)

動詞act make administer become be study plant establish let consider play
 (な-る な-す なり す-る つく-る をさ-む)
  爲此春酒 以介眉壽
            [「詩經」國風 豳風 七月]
  東門之楊 其葉牂牂 昏以爲期 明星煌煌
  東門之楊 其葉肺肺 昏以為期 明星晢晢
            [「詩經」國風 陳風 東門之楊]
  公尸燕飲 福祿來為
            [「詩經」大雅 生民之什 鳧鷖]
  高岸爲谷 深谷爲陵 哀今之人 胡憯莫懲
            [「詩經」小雅 節南山之什 十月之交]
名詞[姓名]@漢代
副詞=將
  穹窒熏鼠 塞向墐戶 嗟我婦子 曰為改歲 入此室處
            [「詩經」國風 豳風 七月]
介詞(前置詞)…動作の受益者 原因目的動機
 (ため)
  [2文字化(爳)]為了/為着(目的) 因為
   (→爲咗@広東 為著@閩南 為仔@呉)
連詞[and和 then則 if若 or或]
助詞[of的]
語氣詞(接尾辞)
  

     

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