■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[口]■■■
白川甲骨文字論では"口"文字の字義は"mouth"では無く、祝祷を収める器の形としているので、この辺りの解釈は厄介そうに思ってしまうが、"牛"文字について📖理解を深めていれば、実はたいした話ではない。
要は、"牛"㊎とは生物種のウシではなく、極めて重視される生贄イメージ(大牲)。文字体系上は、この文字から、生贄儀式の目的である発"告"を通し、その後続の"口"に繋がっているだけ。
・・・冷静になって考えてみれば、「說文解字」の系譜は至ってシンプルなことに気付かされる。字義記載が簡略すぎて、現代人にはピンとこないのが難点というに過ぎない。大牲の儀とは専門家が縛り付けている大型動物を屠殺して頭部を祭台に供し、異界とのコミュニケーションを図る祭祀。その際の、言葉の投げかけが"告"であると簡素だが解り易く記述している。

その言葉を祝祷と呼び、それを納める容器が存在しているとするのが白川論。甲骨文字体系創作者は卜占専門官僚であるから、実際に存在する容器か、観念上のものかはなんとも言い難いところだが、概念的には真っ当な判断と云える。

ただ、甲骨文字は字体から見て"牛"→"告"とは言いかねるタイプがあり、小篆の字義と同じでないかも。白川説では"木"と判断しているが、倭人なら依り代となるものの、木偏にそれを示唆する文字は無い。"木"文字の下部を━や●的にすることもないだろうから、推定としては今一歩とも言えるが、逆に、古代信仰の核心をついている可能性もある。もちろん、それは、"牛"文字と見なすのはいかがなものか、と云うことも意味している訳だが。

重要なのは、あくまでも文字体系。個別の当否をいくら検討しても新たな体系化に歩を進めている訳ではないのでご注意あれ。

尚、白川論の難点は重畳文字を祝祷容器の多数化としている点。大衆社会ではないからだ。王権に直結する卜占専門官僚が行う最重要祭祀でありながら、ゴチャゴチャ化を図るとは思えないからだ。(ついでながら、小篆は文字制定官僚の創作なので、両者の方針は水と油と見てよかろう。)
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告             #021≪告≫【告】🅱🆂
│              牛觸人 角箸木 所以告人 declare
口             #022≪口≫【口】🅱🆂
│              人所以言食 mouth
├┬─────────┬─┐
凵│         │ │
 吅         │ │#024≪吅≫【吅】🆂
 │         │ │ 驚嘑 neighbor uproarious
 哭         │ │
          │ │
          │ │
          │ │
 ├┬┬┬┬─┬┬┐ │ │
 癶步此正│ │││ │ │
    是│ │││ │ │
     辵 │││ │ │
     彳 │││ │ │
     ├┐│││ │ │
     廴││││ │ │
     㢟││││ │ │
      行│││ │ │
       齒││ │ │
       牙││ │ │
        足│ │ │
          │ │
           品 │#042≪品≫【品】🅱🆂
           │ │ 眾庶 item
           │ │ (喿:鳥羣鳴[品在木上])
           龠 │
           冊 │
             㗊#045≪㗊≫【㗊】🆂
               眾口 noise
               (器:皿[象器之口 犬所以守之])
(≪匸≫區:踦區 藏匿 ≪欠≫歐:吐 ≪馬≫驅:馬馳 ≪言≫謳:齊歌 ≪殳≫毆:捶毄物)

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