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2000.8.9
 
 


ガスタービン発電の普及可能性…


 エネルギー産業は、巨大なインフラが不可欠というのが常識だった。特に、電力に関しては、大型発電所と配電網設置が一番効率が良く安全性も高い仕組みと信じられてきた。
 しかし、コジェネの登場で、小規模分散型の効率も悪くないことが見えてきた。大型なら、常時、オペレーションの最適条件を詳細設定できるため圧倒的な優位と思われていた。ところが、情報処理技術の進歩で、小型でもコントロールの精緻化ができるようになっら。こうなると、小規模分散型のメリットが活きてくる。
 しかし、日本でのコジェネの普及はいま一歩である。
 「導入コストはかかるが、長期的には安価になる」という訴求しかできないからだ。これでは、コスト判断可能な技術者を擁し、投資が潤沢な大企業しか導入しまい。
 これでは、市場は限定的だ。といっても、大口ユーザーを失う可能性もある電力業界にとっては大問題だが。

 研究開発の視点からいえば、重要なのは、市場開拓の方だ。ガスタービンなら、設置場所が狭くてもかまわず、メンテナンスが極めて簡単という機器を開発しさえすればポテンシャルは大きい。飲食店や零細工場といった、熱を使う事業所は極めて多い。ここが対象ならマスプロ化できる。製品コストの大幅低下も可能となろう。情報通信技術で24時間遠隔監視も簡単だから、「ボイラー技術主任」制度改訂も無理ではなかろう。そうなると、一挙に普及するシナリオもまんざら夢ではない。

 電力規制緩和もようやく進んできた。チャレンジが必要な時代ではないだろうか。


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