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■■■ 「古事記」解釈 [2024.5.12] ■■■
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「古事記」の歌のユニークさは際立っている。

100を越える数の歌が収録されているのに、「萬葉集」の様にそれ自体で完結する≪歌≫とは言い難い作品だらけ。あくまでも、文脈表現の一部であって、個別に抒情あるいは詠み手の心情を訴えているとは見なし難い。・・・しかし、それは聴衆にとっては、おそらくどうでもよいこと。しみじみ感を呼び起こされて、場合によっては歌の唱和で座が盛り上がることもあったのでは。
そんな思いになるのは、いかにも転用されたとの風情を醸し出す歌も少なくないから。

初出の≪歌≫からして、「今昔和歌集」"仮名序"がいくら持ち挙げたところで、形式的には短歌だが、本質的には短歌ではないと言わざるを得ない作品だし。・・・
  八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を
📖倭歌のみなもとは古事記 📖久米部歌謡こそ和歌原型 📖太安万侶流の歌分類 📖心地概念や修辞法は似合わない

まあ、ここらについては、ジャンル概念が定まっていないので、いくら議論したところで、オレンジ・アップルの好みを論う以上のことはできないので致し方ない。

ただ、歌も地文も、「古事記」は拍のリズム感で統一されている可能性が高いと云えそう。
と云っても、それを示す読み方を解き明かすのは難しい。


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