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2015.1.15

暗澹たる党首選

どうでもよい話だが、早くも、民主党代表選はナンダカネ状態。前党首は、党内融和を旨としていたのか、補助金の貯蓄以外何もせずだったが、それと何が違うのかさっぱりわからぬ。と言うか、その継承者として最適という売り込みがなされているのだろうか。

昨年12月中旬の時事通信解説は、「自主再建の岡田-枝野 v.s. 再編の前原-細野」とされていたが、見事にハズレ。
3者とも、自主再建らしい。まあ、昨年末に書いた理由で、とても無理だと思うが。 [→]

なにせ、討論要旨を比較しても、どこが違うのかさっぱりわからぬ。それに、どんな政策を最重要とするのかも不明。
政策協議で他党に「考え方がはっきりしない。」「スタンスを整理してもらいたい。」という以前に、自らの立ち位置を示してもらいたいものだ。党内に相反する主張を抱え込んでいるのは知られているのだから、少なくとも、最優先政策課題を提起し、安全保障や経済運営の方針を打ち出すのが第一歩だろう。それもできないで、国の統治に係ろうというなら、トンデモ政治屋と見なさざるを得まい。
確かに、多様性を大事にする寛容こそが根という主張は理念としてはわかるが、それ以外がカラッポではどうにもなるまい。

野党再編話も、結局、裏話暴露以上ではない。
最重要課題とその政策を打ち出せないにもかかわらず、地道に活動して求心力を高めるという全く意味のない台詞しか語れないのだから呆れる。

せいぜいのところ、3候補の差は、集団的自衛権の姿勢位。しかし、その言い回しになると、俄然、同じようなものになってくる。こういう姿勢を鵺的と呼ぶが、この党では、それは褒め言葉かも知れぬ。
 ・安全保障基本法と領域警備法を制定
 ・閣議決定撤回を要求
 ・個別的自衛権の範囲内で法整備

そうそう、党の「ばらばら感」をどう克服するかのお答えは圧巻である。
 ・粘り強く説得を繰り返す。
 ・最後はリーダーが決断する。
   私は決断力のある人間だ。
 ・地域の声を聞き、
   リーダーシップを発揮する。

実に低次元の論戦だが、こうなるのは、経済政策が何もないからである。「格差を是正しよう。」と「人への支援を厚く。」という掛け声だけ。分配バラマキと規制路線こそが経済成長をもたらすと考えるなら、はっきりそう言うべきだろう。そして、バラ撒きの原資をどうするつもりか語る必要がある。
まあ、どう見ても、何も無いとしか映らない訳である。要するに、「アベノミクス」に対抗する政策立案能力ゼロということ。
取り巻きが、カルト学者だらけなのであろう。

ただ、それは、バラ撒きと新陳代謝抑制に注力する政党とのイメージを強めるから、地方議員には有り難い話。「米価下げ容認の自公候補を許すな」と叫ぶだけでも、相当な集票が期待できるのが現実な訳で。
従って、民主党は、来る地方選挙では結構いい結果が得られるだろう。低投票率下で、投票に行く層を考えればそうなる可能性は極めて高い。
議員稼業共済会である民主党にとっては最高の環境になるかも。

佐賀知事選結果は、その状況を彷彿させるものがある。・・・アベノミクスの成長路線政策を進めている姿勢を見せる宣伝に使おうという思惑だったようだが、大失敗。
素人予想だと、低投票率間違いなしだから、ソフトムードで受けのよさげな対立候補が登場すれば、自公候補敗北となる。どういう訳か、マスコミはそう見てはいなかったが。
保守が分裂し、農協の力を甘く見たからと解説しているようだが、そういうことではなかろう。・・・
バラ撒きで食べている人達だらけの地域であり、現状維持最優先の社会で、一番嫌われるタイプの候補者を選定した時点で、結果は見えたようなもの。
政策上の争点など地方選挙には無縁。

(時事通信)
党再建めぐり論戦=民主代表選3候補がテレビ出演 2015/01/11-20:41
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(佐賀新聞)
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「佐賀県知事選の投票率54・61%、戦後最低」 2015年01月11日 23時38分


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