■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[19cxx釋畜]■■■ (「說文解字」編纂者は儒教勢力の重鎮であるにもかかわらず、尚古/事大主義の社会風潮に抗して、注意深く執筆していたことがよくわかる。当然ながら、その精神をいかに骨抜きにするかが、後世の解説者の手腕の見せ所ということになろう。社会安寧には極めて重要であるから、使命感に燃えていてもおかしくない。) 甲骨文字と並べると、官僚による創作文字は素晴らしいと言わざるを得まい。2本の角を上部に、首迄を、記号体で描き切っているのだから。† 当たり前だが、首部で切断した状態なのだから、これをsheepと呼ぶのはどうかしている。これが、ヒトとしての常識だが、社会常識に反するから口に出すことは憚られる。にもかかわらず、「說文解字」は堂々と生贄捧上テーブル(示)にsheepの首(羊)を載せている状況を示すと記載。 これは、牛という文字のデザインと同じ。あくまでも、頭部であって動物を意味する象形では無い。 獸の象形文字とは、全身を頭から尾の先まで示していなければおかしい。インテリは当たり前のこととして、分っているが、それを表立って語るほど馬鹿ではないということになろう。 しかし、羊文字についての解説は、その程度で収まっていない。 「說文解字」の記述は誤っているので、原文訂正が必要とされている。・・・そうした話は滅多にお目にかからないので、ここで書いておくことにした。(要するに、「說文解字」の社会通念を覆しかねない指摘は排除し、「爾雅」記載に従わせるべしとの規定。わざわざ、執筆したにもかかわらず、「說文解字」の原文は誤りとしてすべて直されている。) 雄羊/牡羒ram 雌羊/牝牂ewe 子羊-肉(小羊羔-肉)lamb 七箇月羍 (K羊…♀羖/𦍩 ♂羭/䍽) 【牂】 →左爿[n.a.]右片[判木(半木)] [母羊] 牂[牝羊]@「說文解字」(⇔牡羊) <牡羒牝牂>@釋畜 (牝三歲牂) [茂盛] 其叶牂牂@「詩経」國風 陳風 東門之楊 [天文] <太歲在午曰 敦牂>@釋天 牂云如狗@「漢書」天文志 [地名] 牂牁/牂柯(水名@貴州) 【羒】 →分[刀以分別物]≒八+刀 [吳羊] 白羝 [母羊] 牂羊/䍧羊@「說文解字」 牝羊@「玉篇」 [正誤] (誤)牂羊@「說文解字」 (訂正@注→)牡羊 小篆創作官僚が、上記の2文字を、字義上で♂♀の区別をつけていない、というのが「說文解字」の見解である。字形上、雄雌や牡牝とは違って、体躯を分かつという以上の情報を示していない以上、性別は無関係であり、両者は類似の字義と見るしかろう。しいて言えば、繁殖生贄動物である以上、♀成体との字義ということになってしまう。 但し、通俗的には、両文字が♂♀を意味することになっても、なんらおかしくはない。牛とは違って、超多頭飼育なのだから、「爾雅」の説明は正当だと思う。 畜羊の対象はもっぱら♀。♂は精子供給用以上ではなく、去勢させて同居させるか、成羊前に解体するしかない。正式の半割生贄"牂"は♀。間引き幼♂は塊肉"羒"以上ではなかろう。 重要なのは、この程度の問題であるにもかかわず、何故に{正誤}云々が勃発するかという点。 それは、半割生贄文字はsheepの頭とは限らないという点。おどろおどろしいが、角を被った羌/羗人の首を意味している可能性もある。その直接的証拠は皆無だが、殷代に、膨大な数のヒトの生贄が捧げられていたのは事実である。 ・・・いくらなんでも、ここらを表立って議論する気にはなるまい。 † <羊>の頭の特徴。・・・ ①下向き渦巻状の角1対 ②真っ平な頭の上面 ③正面から見ると一番目立つのが伸びた鼻筋 ④飛び出ている大きな耳 ⑤尖った口先 ⑥[多くの場合]長い顎鬚 ⏩続 ⏩羊 (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |