■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[19iaa釋畜]■■■ 唐代の、「酉陽雑俎」を眺めた際に、張華@西晋:「博物志」も部分的に目を通した。(混乱が多く読めたものではない。)†確かに両書とも奇書とされるのも致し方なしと思った覚えがある。 内容的には、<包羅萬象 山川地理知識 歷史人物傳說 奇異草木蟲魚 飛禽走獸 神仙方術 神話 古史 博物 雜說>ということで、奇異な生物と、訳のわからぬ神仙が記載されているのが目立つだけのこと。 荒唐無稽譚があっても、神話だと有りうるとして通り過ぎるが、実在していなさそうな生物や公認外の信仰対象は怪と見なすことになっている訳だ。 但し、龍は奇怪な生物とみなされることは無い。天子がそう決めたからである。 その点では、完璧にそれぞれの情報元を示すことで、社会の実相を示す「酉陽雑俎」のレベルの高さは際立っている。それだけに、儒教国に、<博物学>という西欧的概念をそのまま持ち込むのは考えモノとの感覚を覚えた。 西欧流なら、Dragonは創造の生物ということになり、博物学的には、その様な想像力が満ち溢れる社会を想定してしまいかねないからだ。しかし、その見方を否定すると、カルト的な主張に映りかねないから、なかなか難しい。・・・ Dragon/龍は、創造の生物では無く、古代、"実在"とされていたと見るべきと思うが、それは物理的に同時代に棲息していたことを意味している訳ではない。絶滅種でも化石でもよいのである。 例えば、Pandaは、現代たまたま発見されたことになっているが、「爾雅」の時点ですでに実在動物として知られていたと思われる。伝聞だけで、こうした奇妙な動物の存在を、どうしてまともな話と認定できたのか、はたして納得できるような説明ができるだろうか。 シフゾウの野生種は早くに絶滅してしまったが、たまたま英国に飼育動物が残存。そのため、4種動物の混合の姿が嘘でないことがわかったが、そんな馬鹿げた想像動物が存在する訳が無かろうで片付けられていてもおかしくない。 (例えば、「說文解字」の<鴆:毒鳥>を解説する場合、空想上の鳥とされるのが普通。しかし、頭黒森百舌hooded pitohu@パプアニューギニアの近縁種[絶滅]と想定した方がよいと思う。)📖 要するに、"棲息"とのお墨付きが出て命名されると、自動的に実在動物と化すというのが、天子独裁-官僚統治国の鉄則。従って、龍を想像上の生物と見なすことはできない。社会的に、"実在する"との観念が確立していたと考えるべき。 ただ、注意が必要なのは、それが続くという保証は無い点。王朝が変われば、新しい天子の見方ですべてが統制されることになるからだ。ご都合主義的にどうにでも変更可能。その理屈を考え出すために学者を揃えているようなもの。 龍で云えば、当初の生物像と、漢代で描かれる姿が一致している可能性は極めて低い。最初に命名された時点では、一部の部族の尊崇対象だったとはいえ、猛々しい動物程度だった筈。しかし、それを天子の乗り物と見なした瞬間、大幅な改訂が始まってしまう。結局、各地のトーテム導入が図られることになり、唯一無二の動物像に仕上がっていった訳だ。この過程で、創造性を感じさせる類の仕事がなされている訳ではない。 くどくなるが、天帝の存在を否定する大馬鹿者がいないのと同じで、とんでもなき空想の姿に変えられていても、それは実在しないと考える人はいない。そういう社会なのである。 繰り返すが、中華帝国では、"実在する"との観念が王朝によって確立され、命名された瞬間、それは実在することになるというだけのこと。 言うまでもないが、ここでの命名とは、該当文字が決定することと同義。このことは、同一生物であっても、王朝が違えば、文字が異なってしまうことは少なくないことになる。命名こそ王権の象徴行為だからだ。 冒頭で話題にした「博物志」は、それを語っていると言ってもよいかも。基本情報ソースに、両字書が選ばれることになるからだが。・・・ 「山海經」「禹貢」「爾雅」「說文」「地志」 雖曰悉備 各有所不載者なので増補という立場。 † 華云:"此神異之國 難可驗信" 以車馬珍服送之出關 張華字茂先 挺生聰慧之コ 好觀秘異圖緯之部 捃採天下遺逸 自書契之始 考驗神怪 及世間閭里所說 造「博物志」四百卷 奏於武帝 帝詔詰問:"卿才綜萬代 博識無倫 遠冠羲皇 近次夫子 然記事採言 亦多浮妄 宜更刪翦 無以冗長成文 昔仲尼刪「詩」「書」不及鬼神幽昧之事 以言怪力亂神 今卿「博物志」驚所未聞 異所未見 將恐惑亂於後生 繁蕪於耳目 可更芟截浮疑 分為十卷" [王嘉:「拾遺記」卷九] 【参考 「山海經」】 南山経…[1-首]山神は龍首鳥身 [2-首]山神は鳥首龍身 [3-首]山神は人面龍身 西山経…[3-鍾山]人面龍身 北山経…[1-首]山神は人面蛇身 [2-首]山神は人面蛇身 東山経…[1-首]山神は龍首人身 海外西経…[軒轅之國]人面蛇身 尾交首上 八百歳 海外北経…[燭陰]人面蛇身 赤色 海内南経…[窫窳]水棲 龍首 [巴蛇]K蛇青首 大荒東経…[禺䝞]人面鳥身珥兩黄蛇踐兩黄蛇 [凶犁土丘]應龍 海内経…[巴國] [朱卷之國]K蛇:青首食象 [延維]人首蛇身 ⏪戻 ⏩続 (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |