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■■■ 今昔物語集の由来 [2020.6.27] ■■■
[363] 推定「三寶感應要略」下巻引用
巻八巻六〜巻十は震旦の巻であるが、巻八は欠巻となっている。
 巻六 震旦 付仏法(仏教渡来〜流布) 📖「三寶感應要略巻八」引用集
 巻七 震旦 付仏法(大般若経・法華経の功徳/霊験譚)
    📖震旦般若経霊験+📖震旦法花経霊験+📖旦諸々霊験
 巻八 欠巻
 巻九 震旦 付孝養(孝子譚 冥途譚) 📖震旦孝養+📖「注好選」撰者
 巻十 震旦 付国史(奇異譚[史書・小説]) 📖「注好選」依存

ここに何を企画していたのかは、定かではないが、"震旦 付仏法"の最後だった可能性が高い。

そう思うのは、巻六〜七に「三寶感應要略」の震旦の話がかなり入れ込んであるから。
すでに取り上げたようにこの書籍の構成は3巻となっている。
  上巻 諸仏像霊験50譚
  中巻 諸経典霊験72譚
  下巻 諸菩薩霊験42譚


「今昔物語集」【天竺部】には、7譚しか起用していないようだが、震旦部では、ここから数多く引いてきているし、構成上も仏像譚⇒経典譚という流れをママ取り入れている。
巻六〜七の引用は、上・中巻からで終わっているから、さらに下巻にも手を伸ばすのは自然な流れ。
その場合、内容は菩薩譚になる。
しかし、対象が、本朝の感覚とは違うので、ここは欠巻としたということでは。企画段階では下巻のどの譚を採択するか程度は決定していたのではないかと思われるが。

ザッと眺めることができるよう、巻六〜七の引用状況を再録しておこう。
巻六
<史>
  [1〜2]…始皇帝時 後漢明帝時
  [3〜6]…達磨 僧会三蔵 鳩摩羅焔 玄奘三蔵
  [_7]⇒上32胎藏曼荼羅相傳感應…善無畏三蔵
  [_8]⇒上33金剛界曼陀羅傳弘感應…金剛智三蔵
  [_9]⇒中56釋清虚為三途受苦衆生受持金剛般若經感應…不空三蔵
    ⇒中58唐玄宗皇帝自誦仁王經呪請天兵救安西感應
  [10]⇒中36尊勝陀羅尼經請來感應…陀波利三蔵
<像>
 《釈迦仏》
  [11]⇒上_9唐虞安良助造釋迦像免苦感應
  [12]⇒上_5凝觀寺僧法慶未畢釋迦像感應
  [13]⇒上_6唐隴西李太安妻為安造釋迦像救死感應
  [14]⇒「冥報記」
 《弥陀仏》
  [15]⇒上_7悟真寺釋惠鏡造釋迦彌陀像見淨土相感應
  [16]⇒上12隋安樂寺釋惠海圖寫無量壽像感應
  [17]⇒上13隋朝僧道喩三寸阿彌陀像感應
  [18]⇒上14并州張元壽為亡親造阿彌陀像感應
  [19]⇒上15第十五釋道如為救三途衆生造阿彌陀像感應
  [20]⇒上16宋(江陵長沙寺)沙門釋僧高造丈六無量壽像感應
 《薬師仏》
  [21]⇒上28州司馬家室親屬一日之中造像藥師七感應
  [22]⇒上24貧人以一文銅錢供藥師像得富貴感應
  [23]⇒上27藥師如來救難産苦感應
  [24]⇒上26夏侯均造藥師形像免罪感應
 《阿仏》
  [25]⇒上21釋俊惠圖造阿佛像感應
 《多宝仏》
  [26]⇒「冥報記」
 《盧舎那仏》
  [27]⇒上29造毘盧舍那佛像拂障難感應
 《千仏》
  [28]⇒上31釋含照圖寫千佛像感應
 《金剛界》
  [29]⇒上35禮拜金剛界大曼陀羅圖感應
 《胎蔵界》
  [30]⇒上36念胎藏大曼陀羅諸尊像感應
<経>
 《花厳経》
  [31]⇒中_1有人將讀華嚴經以水盥掌水所霑虫類生天感應
  [32]⇒中_3釋靈幹講華嚴見天宮迎改生花藏世界感應
  [33]⇒中_6王氏感地藏菩薩誦花嚴偈排地獄感應
  [34]⇒中_7空觀寺沙彌定生見紅蓮地獄謬謂華藏世界感應
  [35]⇒中_4唐朝散大夫孫宣コ發寫花嚴願感應
 《阿含経》
  [36]⇒中_9新羅國僧兪誦阿含經生淨土感應
 《方等/方広》
  [37]⇒中16并州比丘道如唯聞方等名字生淨土感應
 《維摩経》
  [38]⇒中20會稽山陰書生寫維摩經除疾救亡親感應
 《楞厳経》
  [39]⇒中21法祖法師為閻羅王講首楞嚴經感應
 《阿弥陀経》
  [40]⇒中24道珍禪師誦阿彌陀經生淨土感應
 《四巻経》
  [41]⇒中29州張居道冥路中發造金光明四卷願感應
 《最勝王経》
  [42]⇒中30則天皇后供養金光明最勝王經感應
 《観無量寿経》
  [43]⇒中25曇鸞法師得觀無量壽經生淨土感應
 《観無量寿経 阿弥陀経》
  [44]⇒中26并州僧感受持觀經阿彌陀經生淨土感應
 《四部大乗》
  [45]⇒中31梓州姚待為亡親自寫四部大乘經感應
 《薬師経》
  [46]⇒中32唐張謝敷誦藥師經除病感應
  [47]⇒中33唐張李通書寫藥師經延壽感應
 《寿命経》
  [48]⇒中37童兒聞壽命經延壽感應
巻七
 《般若経》
  [_1]⇒中42大般若經最初供養感應
  [_2]⇒中43唐乾封書生依高宗勅書大般若經一帙感應
  [_3]⇒中48唐豫州神母聞大般若經名感應
  [_4]⇒中46京兆僧智諷誦大般若經感應
  [_5]⇒中47并州道俊寫大般若經感應
  [_6]⇒中49踏大般若經所在地感應
  [_7]⇒中52阿練若比丘讀誦大品經感應
  [_8]⇒中53天水郡張志達寫大品經三行延壽感應
  [_9]⇒中57僧法藏書誦金剛般若經滅罪感應
  [10]⇒「弘贊法華傳」
  [11]⇒中59唐代宗皇帝講仁王般若降雨感應
  [12]⇒中60舊譯仁王經感應
 《無量義経》
  [13]⇒中61-62無量義經傳弘感應/聞無量義經功コ感應
 《法花経》
  [14]⇒中63誦法華經滿一千部女有靈驗感應
  [15〜17, 20〜21]⇒「弘贊法華傳」
  [18〜19, 25〜31]⇒「冥報記」
  [22]⇒中64書寫法花經滿八部必有救苦感應
  [23]⇒中65書寫法華經一日即速救苦感應
  [24]⇒中66七卷分八座講法花經感應
  [32] 不詳
  [33〜40]  (欠文)
 《涅槃経》
  [41〜42]⇒「冥報記」
 《金剛般若経》
  [43]⇒「冥報記」
<法>
  [44]⇒「冥報記」
<経蔵>
  [45]⇒「冥報記」
<閻魔王>
  [46]⇒「冥報記」
<戒>
  [47]⇒「冥報記」
<懺悔>
  [48]⇒「冥報記」
巻八 (欠巻)

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