■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[13q釋草]■■■
「山海經」の検討では、植物については、名称だけで判断するのは無理が多過ぎなので避けたがここで少々触れておこう。ただ煩雑になってしまうので(未詳のみならず、異なる判定が多すぎる。「詩経」と同名が同種と言えるのかもなんとも言い難いし。)、「五蔵山経」だけに留めることにした。
     《酉陽雑俎的に山海経18巻を読む》「五蔵山経」
      
南山経 西山経 北山経 東山経 中山経

流石に、多草[@北]あるいは無草[@中西南]とのみの箇所は少ない。
基本、<其草多○○>という名称のみの記載は30種ほど。自明な植物種なのであろう。
もちろん、名称に続けて付随説明が加えられていたり、<有草焉有・・・ 名曰○○>といかにも知られていそうにない種も外見等が紹介されている。

この様な説明があるので、ついつい「本草」的扱いをしてしまいがちだが、代替書が無いから致し方無いものの、本来的には参照は避けた方がよさそう。と言うのは、よく見れば、草の"効"の中に薬としての見方は入っていないから。「本草」で重要な役割を占める鉱物についても、産地としての記述はあるものの、薬的な情報は避けている。つまり、視点が異なるのである。
・・・しかし、このお蔭で、「說文解字」の著者の読み方が見えてくる。読者からすれば、草の名称の変遷が想定可能ということ。

草文字の基本は象形。例えば、植物種としてのニラはあくまでも<韭>。
しかし、王朝内での正式文字は韮になる。

これを2文字にするところで、バラエティ化が発生。韮に関係する分野別の専門官僚は独自の文字体系を必要とするからだ。
   韭 山韭(=蒮/韱)・・・
   韮 山韮・・・
   [全艸文字化]
   韮韮 ○韮 韮○
   韮草 韮菜 韮薬・・・
これと同時に、それぞれの部署でジャーゴンが発生する。〜草という草文字以外を用いる呼び替えや、上記で「〜」とした綽名の類。

それぞれの専門官僚が用いる言葉であるから、これを強制的に標準化するのは無理である。どの言葉が残るかは社会的に決まることになろう。王朝の文字規格化官僚は個々の文字についての字体を、こうした状況を鑑みて標準化すること以上は手をつけなかったと見てよいのでは。

----------一般種(名称のみ)
[@南]
 「嘉栄」[@南西北東中]
[@西]
 藻「玉」[@ 西   ]
 茆[@ 西   ]
 蕃[@ 西   ]
 䖀[@ 西   ]
 「女牀」[@ 西   ]
 茈"草"[@ 西北 中]
 芎藭[@ 西北 中]
 「鉤端」[@ 西  中] …桃枝鉤端かも知れない。
 [@ 西  中]
 葯[@ 西  中]
[@北]
 <條>[@  北  ]
 蔥[@  北  ]
 菅[@  北  ]
 華"草"[@  北  ]
 葵[@  北  ]
 <韭>…韮[@  北 中]
 藷 藇[@  北 中]
 䪥[@  北 中]
[@東]
 菌蒲[@   東 ]
 芭[@   東中]
[@中]
 苟薬[@    中]
 莍[@    中]
 雞<穀>[@    中]
 葌"草"[@    中]
 「少辛」[@    中]
 𧄸冬[@    中]
 栄"草"[@    中]
 蒐[@    中]
 莞[@    中]
 芃[@    中]
    [木]桃枝
    [木]秦椒
----------特別種(詳細説明付)
[@南]
 「祝余」
[@西]
 萆茘
 <条>
 ↑<条>
 ↑無<条>
 黃雚
 薫"草"
 蓇蓉
 「杜衡」
 薲"草"
[@北]
 「器酸」
[@東]
 −
[@中]
 籜
 鬼"草"
 「彫棠」
 栄"草"
 荀"草"
 葶薴
 「苦辛」
 夙<条>
 ↑無<条>
 「焉酸」
 䔄"草"
 「牛傷」
 「嘉栄」
 棡"草"
 「犂」
 𦵧
 n.a.
 莽"草"
 雞<穀>
    [木]植楮

≪竹≫
[@南]
[@西]竹 竹箭
[@北]竹 竹箭
[@東]
[@中]竹 竹箭 䉋 扶竹 筀竹 箘 籜 桂竹
  
     

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